関西の自治体や商工会議所を中心に、起業を目指すシニア世代を支援する取り組みが広がっている。来年以降、大量退職する団塊世代や高齢者の起業を促し、経済活性化につなげたい考えだ。指導内容はリスクを減らし、すぐにでも使えるノウハウを伝授するなど実践的。
資金に余裕がある中高年層に焦点を当てた企業支援は「若年層より実際に起業する確率も高く、効果的だ」と期待している。
関西の自治体・商議所
豊中商工会議所(大阪府豊中市)は2007年1月から、主に団塊の世代を対象にした起業セミナ−を始める。
商議所が受講者の年齢を絞って起業セミナ−を開くのは珍しい。
中小企業の経営に詳しい中小企業診断士らが一日六時間、五日間講義する。
受講料は五千円。
セミナ−続々
起業時の心構えや理念作りなどの基本項目からマ−ケティングまで幅広く指導する。 飲食店経営や介護タクシ−など、中高年層になじみが深い分野の
事例を取り上げる。 京都市と地元自治体や経済界、大学などで作る京都高度技術研究所(京都市)は、新事業創出を促す事業の一環として九月から十月下旬まで「シニア創業塾」を開いた。
飲食や物販で創業を考える定年を間近に控えた十五人が参加。
土曜日ごとに約二時間の講義を受けた。 京都信用保証協会の元理事が自治体などの資金補助制度に合格しやすい事業計画の立て方、申請書の書き方を
教えるなど実践的な内容になるよう工夫した。
同技術研究所は「来秋にも創業塾を開きたい」としている。
OBが指南役
事業計画や資金が十分でも販売力がなければ、商売は続かない。
人材派遣を手掛けるビジネスインテリジェンス(大阪市、山村博文社長)は、
起業の分野ごとに企業OBからシニアが営業・販売の個別指導を受けられる
サ−ビス「創業おたすけ隊」を十一月初旬に始める。同社にはマ−ケティングや財務、人事などの分野に精通したOBが約六百人登録しており、指南役を務める。 OBらが現場で培った接客や販路開拓のノウハウをロ−ルプレイング(役割演技)を活用して教える。
起業家はそのOBを派遣社員として自社に迎えることも出来る。
「会社員経験が長い人は起業後も前の会社の看板をひきずることが多い。
その意識を取り払う研修も行う」(山村社長) 関西の経済界や自治体でつくる大阪科学技術センタ−(大阪市)傘下の技術コンサルタント集団ATAC(アタック)は今秋、創業間もない新興企業支援を本格化させた。
第一弾として五十代男性が那覇市で興したそば店の支援に着手。
北海道のめん加工会社を紹介したほか、百五十万円を出資した。
日本商工会議所の調査によると、日商が全国の商議所に委託する創業塾の受講者の年齢は五十才以上がここ五年間四割以上を占めており、「第二の人生は好きな仕事に専念したい、というシニアが増えている」ということです。


